3.地域展開の円滑な推進に当たっての対応
ここからは、地域展開していくためのより具体的な取組についての心得が示されています。
1⃣ 推進体制の整備
ここでは、それぞれの関係団体の立場別の体制についてや、関係団体との連携について示されています。まずは改革の主体とされている地方公共団体について書かれています。
⑴地方公共団体における体制整備
●地方公共団体において、教育、スポーツ、文化、福祉、まちづくり、財政等を担当する様々な部署が一体となって取組を進めていくことが重要。
●地域の実情等に応じて、部活動改革に関する専門部署の設置や総括コーディネーターの配置等、適切な推進体制を整備することが重要。
●市区町村等は、幅広い関係者による協議会等を設置し、定期的な情報共有・連絡調整等を行うとともに、推進計画の策定等により、改革方針や具体的な取組の内容、スケジュール等について分かりやすく周知することが求められる。
引用:部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン

地方公共団体では、部署を超えた連携が必要になってくるんだね。

関係者を集めて話し合いの場所を設けたり、どのように改革していくのかを広く伝えていくことが求められていくみたい。
⑵国・都道府県・市区町村等・地域クラブ活動の運営団体・実施主体の役割分担
| 国 | ・地域展開等の推進に向けた全国的な取組方針等を示すとともに、好事例の収集・普及や、地方公共団体に対するきめ細かな支援等を実施。 ・周知・広報や関係団体等 ・大学・民間企業との連携体制構築等を通じて、関係者の理解促進・改革に向けた機運醸成等を実施。 |
| 都道府県 | ・広域自治体としてリーダーシップを発揮し、都道府県全体としての改革方針を示すとともに、市区町村等に対するきめ細かな支援を実施。 ・一つの市区町村等では対応が難しく、広域での実施がより効果的・効率的な取組を中心に、地域展開等に向けた広域的な基盤づくりを実施。 |
| 市区町村等 | ・改革の責任主体として、幅広い関係者との連携・協働の下、地域展開等の円滑な実施に向けて包括的な企画・調整を実施。 ・特に、地域クラブ活動の位置付け(学校部活動が担ってきた意義の継承・発展+新たな価値の創出)を十分に踏まえ、豊かで幅広い活動が実現されるよう、地域クラブ活動の認定等や、運営団体等への支援 ・指導助言等を丁寧に実施。 |
| 地域クラブ活動の運営団・実施主体 | ・ 「運営団体」は、各地域クラブ活動(実施主体)を統括し、運営・管理業務の中核部分を実施。 ・ 「実施主体」は、運営団体の統括の下、個別の地域クラブ活動を実施。 ※運営団体と実施主体の役割分担の在り方は多様であり、柔軟な連携・協力が重要。 |
引用:部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン
※詳細については、別冊資料②「部活動の地域展開等に関する参考資料」を参照。

それぞれの立場で役割は違うけど、お互いの役割を繋いでいくことでようやく生徒のみんなの活動が成り立っていくことがわかるね。
(3)地域クラブ活動の運営団体・実施主体による生徒が所属する中学校等との連携
部活動が地域展開しても中学校との繋がりは必要とされています。どのような場合に連携していけばいいのかここに示されています。
●地域クラブ活動の活動方針・活動状況等を適切に中学校等に共有すること。特に、生徒
が平日に学校部活動、休日に地域クラブ活動に参加する場合には、指導の一貫性を確保
する観点から緊密な連携を図ること。●地域クラブ活動での学校施設の活用や従事を希望する教師等の兼職兼業等を円滑に行
うため、中学校等と必要な連絡調整等を行うこと。●地域クラブ活動への参加促進等のため、小学校や中学校等と連携しつつ、生徒・保護者
に丁寧な情報提供等を行うこと。
引用:部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン

「活動方針・活動状況等の共有に当たっては、ICTや既存の協議会等を活用するなど、学校の負担軽減に留意する」とも書かれているよ。
一言で連携するといっても、別々の団体の間で情報を共有するのは連絡・調整役など労力が必要だからね。

令和6年12月に学習指導要領解説が改訂されて、学校と地域クラブとの連携等に関する記載が新設されているそうだよ。
また、令和8年3月時点では、学習指導要領における部活動・地域クラブ活動の取扱いに関する検討ワーキンググループ等によって部活動や地域クラブ活動について実態を踏まえた学習指導要領の見直しを検討しているんだって。
<学習指導要領解説の一部改訂(令和6年12月)の概要>
○学校と地域クラブとの連携等に関する記載の新設(中学校・特別支援学校(中学部))地域クラブ活動の位置付け(学校外の活動)や教育的意義等を明確化した上で、学校と地域クラブとの連携等に関して、以下の内容を総則編及び保健体育編に明記。
①学校と地域クラブ活動の運営団体・実施主体との間での活動方針等の共通理解を図ること。
②特に、平日と休日で指導者が異なる場合、指導の一貫性を確保する観点から緊密に連携すること。
③地域で実施されているスポーツ・文化芸術活動の内容等を生徒・保護者に周知すること。
引用:部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン
(4)関係団体等・大学・民間企業との連携
地域展開には中学校以外にも、様々な団体との連携が必要とされていますが、実際どのような繋がりが考えられるのでしょうか。ここでは、連携する際の心得や利点について書かれています。
①基本的な考え方
●部活動改革を円滑に進めるためには、地方公共団体が、幅広い関係団体等 (総合型地域
スポーツクラブ、スポーツ少年団、体育・スポーツ協会、競技団体、文化芸術団体、文化協会、社会教育施設、地域の中学校体育連盟、中学校文化連盟、スポーツ推進委員、地域学校協働本部、地域スポーツコミッション等)、大学、民間企業と連携・協働しながら、一体となって取り組むことが重要。●その際、特に、指導者の確保・育成、活動場所等の確保、資金の確保等が大きな課題となるところ、行政側のみで全ての課題解決を図ることは困難であり、そうした各種の資源等を有する関係団体等(※)、大学、民間企業の協力を得ることが不可欠。
●関係団体等、大学、民間企業と連携・協働することで、行政側にはない新たな視点やノ
ウハウなどが導入され、より充実した活動となることも期待される。●持続的な形で連携・協働を推進するためには、協定の締結等により連携の枠組みを明確化することや、関係団体等、大学、民間企業にとってもメリットが感じられるようにすることも考えられる。
※地域クラブ活動の実施に当たっては、体育館、公民館、コミュニティセンター、音楽
ホール、美術館等の社会教育施設等との連携も重要。
引用:部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン

幅広い関係団体にはたくさんの連携先が想定されているね。

この連携先がつまりは地域展開の主役、「地域社会」という訳だね。
たくさんあるから「誰か」がやってくれそうだけど、お互いに「誰かが」と思っているとまとめるのは難しそうだね。

地域のおじさんにもできることはあるのかな。
部活動のことはよくわからないのだけど、時間もあるし何かお手伝いしたいけど。

まずは立場を超えた、たくさんの「誰か」が繋がる場所、意見を持ち寄る機会があるとみんなの一歩が踏み出せるかもしれないね。

関係団体の協力を得るためには、「お互い様」の精神も必要だよね。

そうだね、ここでは協力してもらう関係団体のメリットも例示されているよ。
<関係団体等・大学・民間企業にとってのメリットの例>
<関係団体等>
引用:部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン
・スポーツ・文化芸術活動の実施者の裾野拡大
・多世代での交流等を通じたスポーツ・文化芸術全体の振興 等
<大学>
・地域における大学の認知拡大
・指導等の実践を通じた知見集積・研究等へのフィードバック
・指導者や教師等を目指す大学生への実践機会の提供による人材育成 等
<民間企業>
・CSR の一環としての地域貢献 ・地域における企業の信頼性向上
・自社ブランドやサービスの認知拡大 ・人材採用・定着に関する好影響
・社内人材への活躍・育成機会の提供 等
次に、関係団体としてどのような関わりができるのか、その役割について書かれています。
②関係団体等・大学・民間企業に期待される主な役割
関係団体等
・指導者の育成に係る研修会の実施
・専門的指導者・運営人材等の派遣
・各競技種目等に関する指導の手引きの作成・普及
・活動プログラムや自主練習用動画教材等の提供
・団体の所有する施設の貸出し、用具・物品等の提供
・大会運営等への参画や新たな大会の開催
・体験会・イベントの開催 等
大学
・指導者の育成に係る研修会の実施
・大学生や大学教員の指導者・運営人材等の派遣(事前指導、派遣先との調整等を含む。)
・大学生の参加促進に向けた地域クラブ活動における指導の単位認定等
・大学施設の貸出し
・大学施設を拠点とした集合型の地域クラブ活動の実施 等
民間企業
・財政的支援(寄附、企業版ふるさと納税、スポンサー、収益還元型の自動販売機等)
・指導者・運営人材等の派遣(社内制度の整備による短時間勤務制度の導入や副業促進等を含む。)
・企業等の所有する施設の貸出し、用具・物品の提供
・運営・管理等に関するノウハウや活動プログラムなどの提供
・地域クラブ活動の運営団体・実施主体を担うこと 等

各団体から経験や知識、資産などそれぞれの得意分野での強みを生かして協力し合えると課題をクリアできそうな気がしてくるね。
次に、関係団体等と連携していくため具体的にどのように取り組んでいけばいいのか書かれています。
③協力促進のための主な取組
●地域展開等の検討段階からの関係団体等・大学・民間企業の参画促進(協議会への参画等)
●地方公共団体・地域クラブ活動と大学・民間企業等をつなぐ専門人材の配置
●都道府県レベルでの連携体制の構築
(例)富山県 :「部活動・地域クラブ活動応援企業」の登録制度
福岡県 :大学との連携による「アスリート人材活用コンソーシアム」の設立
●国レベルでの気運醸成
(例)「部活動の地域展開・地域クラブ活動の推進に向けた産官学連携フォーラム」の
開催 (令和7年8月25日)、企業や大学関係者等(全国規模の団体等)に向けた説明・周知、先進事例の収集・普及
●企業等による連携体制の構築
(例)「ブカツ・サポート・コンソーシアム」(令和6年9月設立)
日本郵政株式会社と公益財団法人日本スポーツ協会とのパートナー契約締結
●企業等へのインセンティブ付与
(例)練習着や備品・冊子等への企業名掲載、ネーミングライツ、表彰制度、公共事業
等の審査における加点、協力企業等のスポーツチーム等に対する公共施設の優先
利用
引用:部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン

やはり、まずは話し合いに参加してもらうことからってことかな。

各組織を繫ぐ専門人材の配置も含めて公的な支援や役割も重要なんだね。
協力したい企業が手を挙げやすい環境も整えていけるといいね。


コメント