2 各種課題への対応
ここでは、部活動改革を推進するにあたり、課題となる事がらについて、より具体的な考え方や対応策について書かれています。
(1)運営団体・実施主体の整備等
まずは、地域クラブを運営・実施する団体をどのように整備していけばいいのか、その考え方と具体的な取り組みの内容(例)から。
①基本的な考え方
●地域クラブ活動の運営団体・実施主体においては、市区町村等による企画・調整の下、認定要件等に則って、持続的・安定的に生徒のスポーツ・文化芸術活動の機会を提供することが求められるため、適切な運営体制の整備等を行うことが必要。地方公共団体が運営団体・実施主体による地域クラブ活動の運営の状況等を把握しつつ、持続的・安定的な運営に向けたサポートをきめ細かく行うことなども重要。●特に、地域クラブ活動の運営団体については、各実施主体を統括するとともに運営・管理の中核を担う観点から、組織体制・財政基盤の構築・強化、運営を担う人材の確保・育成、ICT等を活用した運営業務の効率化、組織としての責任を明確にするための法人格の取得等を進めることが望ましい。
※国において作成予定の地域クラブ活動の創設・運営等に係るガイドブックも参照。

地方公共団体の方針に則って地域クラブを整備して、その後も持続可能な運営になるように自治体のフォローが必要になってくるんだね。

運営団体は組織や財政、人材など体制を整える必要があるようですね。さらに法人化となると少しハードルが高いような気もするね。
具体的な取り組み(例)を見てみよう。
②具体的な取組内容(例)
項目 主な取組例 運営に関するサポート体制の整備、運営を担う人材の確保・育成 ・地方公共団体による地域クラブ活動の運営に関する相談・助言窓口等のサポート体制の整備
・地方公共団体による会計・税務処理や労務管理、個人情報の取扱い、ガバナンス、マネジメント等に関する研修機会の確保 等組織体制・財政基盤の整備 ・「スポーツ団体ガバナンスコード〈一般スポーツ団体向け〉」に準拠した運営(法令等に基づく事業運営、公正かつ適切な会計処理など)
・公益財団法人日本スポーツ協会における総合型地域スポーツクラブ登録制度及び認証制度(部活動の地域展開タイプ)の活用
・活動の維持・運営に必要な適切な額の参加費等の設定
・多様な財源の確保(協賛企業の獲得、ふるさと納税、企業版ふるさと納税の活用等) 等ICT活用による運営
業務の効率化・地域クラブ活動の指導者や参加者との連絡・調整、参加者の出欠、活動の実施報告へのコミュニケーションアプリ等の活用
・参加費等徴収や指導者への報酬支払等の会計業務等におけるICTの活用
・ICTの活用による各種運営業務の一元的な管理の検討 等

運営団体として活動したい場合には、まず母体となる組織をきちんと整えることが第一歩となるね。メンバーがいるか、資金のやりくりができるか、法令に則った健全でオープンな運営ができるかどうか。

生徒の皆さんが安全・安心に活動できるためには、まずは環境を整える必要があるってことですね。
ICTの活用など自治体に相談しながら進められるといいですね。
(2)指導者の確保・育成
組織が整ったら、次は指導者の確保です。ここでは指導者確保についての考え方と具体的な取り組み(例)が示されています。
①基本的な考え方
●地域クラブ活動を円滑に実施するためには、地域の多様な人材等から、質・量ともに十分な指導者を確保することが不可欠。
●部活動の地域展開に当たっては、活動内容の質的な向上も図る必要があり、そのためには、参加者が中学生等であることを踏まえた、適切な資質・能力を備え、保護者・生徒等から信頼される指導者による良質な指導が行われることが重要 (「認定地域クラブ活動指導者」登録制度については、別冊資料①の別紙2を参照)。
●指導者の確保に当たっては、人材バンクの設置等を通じて地域の多様な人材の発掘・マッチングなどを進めるとともに、指導を希望する教師等の兼職兼業を促進することも重要(教師等の兼職兼業についての詳細は、Ⅵの1を参照)。

地域等からたくさんの指導者を確保する必要があるのですね。さらに、指導者は適切な資質・能力を備えていることも必要なんだね。

地域からこんな良質な指導を行える指導者をたくさん見つけるのはなかなか難しそうだけど、次に、想定される人材の例が示されているよ。
<想定される人材の例>
【地域スポーツクラブ活動】
総合型地域スポーツクラブの指導者、スポーツ少年団の指導者、競技団体の指導者、
アスリート、スポーツ推進委員、大学生(特に体育・スポーツ系及び教員養成系、
卒業生を含む。)、退職教職員、教職員(兼職兼業)、部活動指導員(地域クラブ活動
の指導者を兼務)、民間スポーツクラブの指導者、民間企業等の社員・自営業者・
公務員(兼職兼業)、教員免許所有者、SEA ・CIR (JETプログラムによるスポーツ国
際交流員・国際交流員)、武道関係者 等【地域文化クラブ活動】
アマチュアでの活動者、アーティスト、大学生、退職教職員、教職員(兼職兼業)、
部活動指導員(地域クラブ活動の指導者を兼務)、民間の文化芸術関係の指導者、
民間企業等の社員・自営業者・公務員(兼職兼業) 等
②具体的な取組内容(例)
項目 主な取組例 多様な人材の発掘・マッチング・配置 ・都道府県等による人材バンクの設置・運用等(幅広い関係者への登録依頼やマッチング支援、民間企業等に対する短時間勤務制度や副業制度などの柔軟な勤務制度の導入依頼等を含む。)
・指導補助や見守りなど活動をサポートする人材を募集し、幅広い人材に協力が得られる仕組みを整備
・地方公共団体と大学との組織的な連携を通じた大学生や大学教員の活用促進 等適切な資質・能力の保障、人材育成 ・地方公共団体や大学・関係団体等による研修会の開催(オンラインの積極的な活用を含む。)(「認定地域クラブ活動指導者」登録制度に示す研修メニュー例に沿った研修の実施)
・公認スポーツ指導者資格等の取得促進等
・地域クラブ活動を支える多様な指導人材が学び続けることのできる仕組みづくりや資格の取得を目指す環境整備
・経験豊富な指導者とペアで指導を行うOJTの推進
・地域クラブ活動の方針や生徒の志向等に応じた参加者の安全確保や見守りに重点を置いた研修の実施
・国における指導の手引き等の作成・普及
・女性アスリートの健康課題等に関する指導者等の理解促進や予防に向けた取組の実施
・障害の有無等を含めたスポーツ実施者の特徴を踏まえた多様な指導方法の習得
・指導者に対する適切な処遇の確保 等平日(学校部活動)と休日(地域クラブ活動)の一貫指導 ・地域クラブ活動の運営団体・実施主体と学校との間での活動方針等の共有
・指導者同士での定期的な情報共有(ICT・アプリの活用を含む。)
・学校関係者と地域クラブ関係者による合同研修会の開催
・共通の指導者による指導(兼職兼業の教師や部活動指導員による地域クラブ活動の指導、地域クラブ活動の指導者を部活動指導員に任用) 等ICTの効果的活用 ・デジタル技術を活用した遠隔指導、デジタル動画を活用した自主学習・デジタルと対面での指導の最適な組み合わせ 等

民間企業に対する短時間勤務制度や副業制度など都道府県が依頼していく、とあるね。
これは実現するまでだいぶ時間が必要になりそうだ。

働き方改革も含めて、時代に合った制度へ変わっていくタイミングでもあるのかな。

指導者への研修も重要とされているね。有料のものや無料のものなど、研修会も様々。自治体等で公的な研修会が年間を通して実施されるとありがたいね。

平日と休日の指導方針を共有することで、子どもたちが指導の板挟みになることを防ぐことができるのですね。
(3)活動場所の確保
団体の体制整備、指導者の確保とみてきました。次は、活動場所について示されていますので見てみましょう。
①基本的な考え方
●地域クラブ活動の活動場所として、学校施設をはじめ、社会教育施設や民間施設等の様々な施設が活用されており、引き続き、生徒のスポーツ・文化芸術活動の機会を確保するため、地域クラブ活動を行う場所を十分に確保していくことが不可欠。
●今後、地域クラブ活動の増加に対応していくためには、学校施設等の更なる利用の促進に加え、学校における働き方改革や地域の指導者の負担軽減の観点から、学校施設をはじめとした活動場所の効果的・効率的な管理等にも取り組むことが必要。
●その際、特に、学校施設については、生徒の移動の便宜や用具の保管等の観点からも、学校教育に支障のない限り、地域クラブ活動において優先して活用できるようにすることが極めて重要であるとともに、社会教育施設との一体化・複合化等を行うことで、生徒のみならず、地域住民を含めた幅広い利用等が可能となる地域の活動拠点づくりにつなげていくことも重要。
引用:部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン

活動場所はこれまでの部活動と同じ、学校施設等のさらなる利用を促進とあるね。

地域クラブ活動において優先して活用できるようにとも書かれているね。
②具体的な取組内容(例)
項目 主な取組例 活動場所の確保
(学校施設等の有効活用)・中学校をはじめ、小学校や高等学校、特別支援学校、大学、廃校施設に加え、公共のスポーツ施設、社会教育施設、民間企業、大学等が保有する施設等の活用促進
・認定地域クラブ活動に対する学校施設等の優先利用・使用料減免等
・学校体育施設等の夜間照明の整備・活用、用具等の保管スペースの確保
・学校施設や学校備品等の活用に関する規程の整備 等活動場所の管理運営の
効率化等・ICT の活用による予約システムの構築
・予約システムと連動したスマートロックの導入、キーボックス等による鍵の受け渡しの負担軽減(休日の地域クラブ活動の実施に当たり教職員が出勤しなくてよい仕組みの構築等)
・学校施設の管理における指定管理者制度や業務委託の活用
・地域住民との共同利用や公共施設の有効活用を実現するための学校施設の複合化 等

学校関係や公共施設、ありとあらゆる場所が想定されているね。

認定地域クラブ活動には優先利用や使用料の減免なども考えられるんだね。

管理については、ここでもICTの活用が出てきたね。
予約管理や鍵の受け渡しなど、新たな課題を解決するためには、新しい技術やアイデアが不可欠ってことかな。
(4)活動場所への移動手段の確保
次は、活動場所までの移動手段について。学校の部活動と違う課題の一つですね。ガイドラインではどのように示されているのでしょうか。
①基本的な考え方
●地域クラブ活動の活動場所が生徒の所属する中学校等以外となる場合や、複数の中学校等の生徒が一体となって地域クラブ活動を実施する場合等においては、活動場所への生徒の移動手段の確保が必要。その際、障害のある生徒等を含め、地域クラブ活動に参加する生徒のニーズや事情等を十分に踏まえた対応が重要。
●活動場所への移動手段の確保については、多くの生徒が集まりやすい活動場所の確保との一体的な検討、スクールバスなどの既存の送迎車両の有効活用を行うことが重要であるとともに、地域公共交通との連携等の観点から、地方公共団体における交通部局と教育部局及びスポーツ部局・文化芸術部局等が密接に連携しつつ対応することが必要。
●教育・スポーツ・文化分野以外でも、例えば、介護・福祉分野や医療分野など地域における移動手段の維持・確保が課題となっている政策分野があることから、多様な分野の関係者が連携・協働していくことも重要。
②具体的な取組内容(例)
項目 主な取組例 既存の送迎車両の有効活用 ・スクールバスやスポーツ団体等のマイクロバスの活用 等 地域公共交通との連携等 ・地域公共交通の運行ダイヤに合わせた地域クラブ活動の実施
・地域公共交通の運行ダイヤの見直しの検討
・地域公共交通の利用料への補助
・AI オンデマンド交通等の新技術や自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)の仕組みの活用 等多様な政策分野との
連携・協働等・介護施設や、病院、商業施設等への送迎への混乗
・地方公共団体における送迎事業(複数)の一括委託 等

移動に関しては、これまでの部活動にはなかった新たな取り組みになるため、様々な可能性を想定しているようだね。

スクールバスの利用などはイメージしやすいですね。

地域公共交通の活用は、運行会社との仕組みづくりも必要になるのかな。公共ライドシェアという制度もあまり聞きなれないけど、どんな仕組みなんだろう。

部活動や教育分野とは全く違う、介護施設や病院への送迎と混乗するということも書かれているね。
教育・スポーツ・文化分野、交通分野、介護福祉・医療分野など連携・協働することは、部活動だけでなく他の地域課題も含んでくるので調整は難しそうだけど、その分成功すれば誰もがwin-winの仕組みになるかもしれないですね。


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