(5)生徒の安全・安心の確保
まずはハード面、主に物理的な課題についてここまで見てきましたが、次はソフト面と言っていいのではないでしょうか。直接生徒に関わる部分ががここに示されているようです。
①基本的な考え方
●地域クラブ活動は、学校部活動の教育的意義を継承・発展させながら、義務教育段階の生徒に対してスポーツ・文化芸術活動の機会を提供する公的な性質を有する活動であり、学校部活動と同様に、事故や、暴力・暴言・ハラスメント、いじめ等の不適切行為の防止等を徹底し、生徒が安全・安心に活動に取り組める環境を構築することが不可欠。
●基本的には、地域クラブ活動に関する認定制度及び指導者の登録制度を通じて安全・安心の確保を図っていくこととなるが、これらの制度を効果的に運用するための環境整備等として、国における指導の手引き等の作成、地方公共団体や地域クラブ活動の運営団体等における相談窓口の整備などもあわせて進めることが必要。
●また、地方公共団体や地域クラブ活動の運営団体・実施主体等との間で、事故等や不適切行為が発生した場合の責任の所在を明確化した上で、発生時には、保護者や生徒が在籍する中学校等とも適切に連携しながら、迅速かつ丁寧に事後対応を行うとともに、再発防止に向けて事案の分析や防止対策の強化等を行うことが重要。
●さらに、怪我等への備えとして、生徒及び指導者に対し、自身の怪我等を補償する保険
や個人賠償責任保険への加入を徹底することも重要。
※先般のスポーツ基本法改正において、暴力等の防止に関する規定 (第29 条)が新設さ
れたことも踏まえながら、国、地方公共団体、関係団体等が一丸となって、必要な対策
を進めていくことが必要。
【参考】スポーツ基本法(令和7年度改正後)(抄)
(暴力等の防止)
第二十九条 国及び地方公共団体は、スポーツを行う者に対する、暴力、優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの、性的な言動(性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和五年法律第六十七号)第二条から第六条までの罪に当たる行為を含む。)、インターネット上の誹謗ひぼう中傷等(次項において「暴力等」という。)によりスポーツを行う者の環境が害されることのないよう、必要な措置を講じなければならない。
2 スポーツ団体は、その行う事業について、スポーツを行う者に対する暴力等により
スポーツを行う者の環境が害されることのないよう努めるものとする。

学校部活動の教育的意義を継承・発展という部分がポイントとなっていますね。

地域に展開しても勝利至上主義にならないようにってことかな?

教育的意義には自主性・社会性の育成、豊かな人間関係の構築、体力や健康の向上の他、責任感・連帯感を育むなどの役割があるそうだよ。

暴力等の防止に関する規定が新設されたスポーツ基本法も踏まえて進めていくんだね。
②具体的な取組内容(例)
項目 主な取組例 事故や暴力・暴言・ハラスメント等の不適切行為の防止
※公益財団法人日本スポーツ協会等を中心に関係団体が一体となって進めている「NO!スポハラ」活動と連動して取組を進めることも重要・指導者・保護者・生徒等への研修・普及啓発等の推進(関係者の共通理解の向上)
・地域クラブ活動の運営団体・実施主体における組織的な体制整備(スポーツドクター・有資格のトレーナー・弁護士・学校医、医療機関等との緊密な連携等を含む。)
・過度な練習等の防止や適切な活動環境の確保(熱中症や脳震とうの防止対策等を含む。)
・公益財団法人日本スポーツ協会等に設置された暴力等に関する相談窓口の活用促進
・地方公共団体等が相談を受け付け対応する仕組みの構築
・国における指導の手引き等の作成・普及 等責任の所在の明確化、
事後対応・再発防止・市区町村等や地域クラブ活動の運営団体・実施主体、活動場所の管理主体等との間で、あらかじめ、事故等が発生した場合の対応や責任関係等を明確化
・事案発生時の対応等について定めた緊急対応マニュアルの作成、職員・指導者等への周知徹底
・市区町村等の担当者や専門家等を交えた事案の分析及び再発防止策の検討・策定
・地域クラブ活動の運営団体等の賠償責任保険(例:スポーツ安全協会の「スポーツ・文化法人責任保険」(法人対象))への加入 等生徒及び指導者の保険
への加入・自身の怪我等を補償する保険や個人賠償責任保険(例:スポーツ安全協会の「スポーツ安全保険」は両者を兼ね備えたもの)への加入 等 ③特に留意すべき事項
・ 事故や、暴力・暴言・ハラスメント、いじめ等の不適切行為の防止等の徹底、不審者、災害
発生時等の対応については、学校の内外や国公私立・学校種、スポーツ・文化芸術や種目等の別を問わず、共通して取り組まれることが重要であること。
・ 暴力・暴言・ハラスメント、いじめ等の不適切行為の防止等については、指導者はもとより、保護者・生徒等に対する研修・普及啓発等も推進し、関係者の共通理解の向上を図ること。
特に、「運動部活動での指導のガイドライン」(平成25 年5月文部科学省)において示された、「肉体的、精神的な負荷や厳しい指導」と「体罰等の許されない指導」の区別が十分に理解されるようにすること。
・ 指導者には、自らが不適切行為を行わないことは当然のこととして、生徒同士等における不適切行為を防止する役割も求められること。特に、生徒同士等の暴力やいじめ等の行為を防止する観点から、適切な集団づくりや日頃からの生徒への目配りなどにも留意すること。
・ 近年、スマートフォン・SNS等の普及に伴い、生徒がトラブルや犯罪に加害者として関わってしまう可能性も大きくなっていることから、人を傷つける書き込みは人権侵害であり犯罪になることもあること、他人に損害を与えれば損害賠償責任を負うこともあることにも留意すること。
・ 暴力・暴言・ハラスメント、いじめ等の不適切行為は、閉鎖的な環境・人間関係の下で発生しやすいことから、複数の指導人材等が関わるなど開かれた活動環境の整備や、職員・指導者・生徒・保護者等によるコミュニケーションの活性化等を通じた風通しの良い組織作りなどにも留意すること。
・ 事案発生時には、保護者や生徒が在籍する中学校等とも適切に連携しながら、被害を受けた生徒のケアを最優先に対応すること。個々の指導者任せにせず、地域クラブ活動の運営団体・実施主体において組織的な対応を行うこと。事案の事実確認に当たっては、被害者、加害者、その他の関係者から丁寧に聞き取り等の対応を行い、事案に応じた適切な対応を行うこと。
※地域クラブ活動において事故等が発生した場合の賠償責任主体及び賠償制度・保険の取扱いについては、別冊資料②「部活動の地域展開等に関する参考資料」を参照。

まずは関係者の共通理解が必要になるようだね。

私たち昭和世代の部活動とは常識が変わったと認識することからですね。

給水のタイミングや、練習時間の短縮(効率化)など情報をアップデートしなくてはいけないね。いじめが無い環境をつくるのも大切だね。

何かあった場合の責任等や保険の対応についても明確にしておくことで安心して活動ができるんだね。
(6)障害のある生徒の活動機会の確保
次は、「部活動の新たな価値」の部分ですね、これまではなかなか受け入れの環境が整っていなかった障害のある生徒のみなさんについて示されています。
①基本的な考え方
●障害の有無に関わらず、生徒が希望する活動を主体的に選択できる環境の整備を進めていくためには、障害がある生徒も地域クラブ活動に参加することを想定して、各種の取組を進めることが重要。
●また、指導者が指導に当たっての留意点等を把握し、障害の特性に応じた配慮や工夫を行うとともに、多様な地域の関係者と連携し、障害がある生徒も参加できる安全・安心な活動を展開することが重要。
●学校部活動と地域クラブ活動で指導者や活動場所等が変わる場合は、学校とは異なる環境においても生徒が安全・安心に活動できるよう、受入れ側の障害の状態や特性等への理解や学校側の協力などの連携が必要。
②具体的な取組内容(例)
項目 主な取組例 多様な地域の関係者の参画 ・地域のスポーツクラブ・文化芸術関係クラブ、障害者スポーツセンター、地域のパラスポーツ協会、放課後等デイサービス実施事業者等、多様な地域の関係者の参画 等 指導者の資質能力の向上 ・スポーツ庁が作成した障害のある人へのスポーツ指導等の際に参考となる 「障害のある方へのスポーツ指導・関わり方 入門ハンドブック」等を活用した指導者の資質・能力の向上(特に、障害のある生徒への指導を専門としない指導者等)
・公認パラスポーツ指導者資格等の取得促進 等新たなスポーツ・文化
芸術活動機会の確保・現在、学校部活動が行われていない場合(障害のある生徒が、特別支援学校や中学校において学校部活動に参画する機会がないケース)における、新たなスポーツ・文化芸術活動の機会の提供
・既に学校部活動が行われている場合(障害のある生徒が、中学校において現に他の生徒とともに学校部活動を行っているケースや、特別支援学校において学校部活動を行っているケース)における、運営団体・実施主体における障害のある生徒の受入れ 等

傷害のある生徒さんも受け入れ可能な環境を作るには、専門の知識を持った方の協力が必要ですね。

専門の知識がない方もスポーツ庁のハンドブックなど参考に取り組むといいのですね。

一緒に活動する生徒や参加者のみなさんの理解もあるとより安心の環境になりそうです。


コメント